文京区の創業融資の制度一覧と利用方法【2024年最新】
監修者：渡部 豪（公認会計士）
KPMGあずさ監査法人で勤めたのち、ベンチャー企業のCFO（最高財務責任者）へ就任。
創業期の会社のデットファイナンス（融資）を複数支援した実績を持つ。
【主な支援実績】
融資額：最大5億円（コンサル会社）
創業融資額：最大6500万円（EC会社）
▼そもそも融資が通るのか知りたい方▼
資金集めは、新しいビジネスを始める際に多くの起業家が直面する大きな障壁の一つです。
創業期に必要な融資を銀行から得ることは決して簡単ではありませんが、文京区では、起業家や小規模事業者が資金調達の問題を乗り越えられるよう、さまざまな支援制度を提供しています。
本記事では、文京区で利用できる創業融資制度の種類と利用方法について詳しく解説します。
ビジネスの立ち上げや拡大を検討している方々にとってメリットの多い制度なので、文京区で事業を始めることを考えている方はぜひ活用してみてください。
文京区で創業融資を受ける
文京区内の法人・個人事業主が利用できる創業融資は３種類あります。それぞれの特徴と違いを以下の表にまとめました。
| 文京区で受けられる創業融資制度 | |||
|---|---|---|---|
| 項目 | 文京区 | 東京都 | 日本政策金融公庫 |
| 融資 限度額 | 1,500万円 | 3,500万円 | 3,000万円 |
| 対象 | 創業前 または 1年未満 | 創業前 または 5年未満 | 創業前 または 税務申告 2期未満 |
| 利率 | 0％ | 1.5％～2.5％ | 1.0%～3.5% |
| 期間 （最長） | 7年 | 運転資金 7年 設備資金 10年 | 運転資金 7年 設備資金 10年 |
| 担保・ 保証人 | 条件による | 条件による | 原則不要 |
文京区の創業融資
文京区では、地域経済の活性化と中小企業や新規事業者の支援を目的とした融資制度を提供しています。
この制度は、事業資金の調達をサポートするため、文京区と信用保証協会、民間の金融機関の三者が連携して実施されます。
本制度の大きな魅力は、文京区からの利息補助を受けられる点で、創業融資の条件を満たせば、金利の負担はありません。
融資を受けた企業が成長し税収を生み出すことで、地域経済の活性化につながり、結果として文京区での雇用機会創出や税収増加が見込めます。
東京都の創業融資
東京都でも創業者を対象とした融資制度を提供しています。
文京区の創業融資と同じように東京都からの利子補給があるため、金利が1.5%から2.5%と低めに設定されており、上限額は3,500万円となっています。
詳しい制度内容や利用方法については、こちらの記事でご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
日本政策金融公庫の創業融資
起業家や中小企業向けに幅広い融資オプションが提供されています。特に、無保証での融資提供が特徴で、創業促進を強力に後押ししています。
日本政策金融公庫は、国が全額出資する公的金融機関です。
小規模企業者や個人事業主を対象に、事業の発展を支援することを目的として幅広い融資制度を提供しています。
創業促進を目的とした創業融資は、無保証（代表者の連帯保証なし）で提供しており、新規事業を立ち上げる起業家や、事業拡大を目指す中小企業者にとって貴重な資金調達の手段のひとつです。
また、災害復旧支援融資など、特定の目的に応じた融資プログラムも充実しており、幅広いニーズにも対応しています。
詳しい制度の内容については、こちらの記事で解説しているので参考にしてください。
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文京区の創業融資の制度一覧
文京区が提供している「中小企業向け融資あっせん制度」の詳細な制度内容をご紹介します。
文京区の中小企業向け融資あっせん制度
文京区は「中小企業向け融資あっせん制度」を提供しており、区内中小企業者の事業経営の安定や経営基盤の強化に必要な資金調達を支援しています。
【文京区 中小企業向け融資あっせん制度 図解】
創業融資はその一部として利用可能で、文京区が融資を受けられるように協力金融機関へあっせんします。
事業資金融資を低利で受けられるように、区から利子の一部が補助されるオトクな制度です。
| 文京区 中小企業向け融資あっせん制度の一覧 | |||
|---|---|---|---|
| 制度 | 創業支援資金 | 創業特例 | 一般運転資金 |
| 融資 限度 | 1,500万円 | 1,500万円 | 1,500万円 |
| 本人 負担 利率 | 0％ | 0％ | 1.5％ |
| 貸付 期間 | 7年以内 | 7年以内 | 7年以内 |
| 対象 | 創業前 または 1年未満 | 特定創業支援 事業等の認定 | 区内の中小企業者 |
文京区の中小企業向け融資あっせん制度の対象となる中小企業は、文京区内に主たる事業所もしくは定款に書かれた本店を有し、文京区内での事業を1年以上営んでいる法人または個人です。
創業支援資金
文京区の創業融資は、「中小企業向け融資あっせん制度」の「創業支援資金」として提供されています。
創業支援資金の対象者は、文京区内でこれから創業しようとする場合、または区内で創業して1年未満の中小企業者です。
事業運営にあたって必要な資金を、運転資金または設備資金として融資申し込みできます。
創業前の申し込みの場合は、申し込み金額と同額以上の自己資金が必要になるので注意しましょう。
| 創業支援資金の融資制度内容 | |
|---|---|
| 融資 金額 | 1,500万円以内 |
| 対象 | 以下全てに該当する中小企業（法人・個人） （１）個人または法人で区内に創業予定 もしくは創業後1年未満である （２）申告・納付すべき税を滞納していない （３）東京信用保証協会の保証対象業種 |
| 資金 使途 | 運転・設備のいずれか、または両方同時 |
| 金利 | 利用者負担 0% （年1.5%以内のうち、文京区が1.5%負担） |
| 貸付 期間 | 7年以内（据置1年を含む） |
文京区の創業融資を受ける流れ
それでは、文京区で創業融資を受ける手順を詳しく説明していきます。
文京区の創業融資を受けるためには、金融機関への申し込み時に必要な「融資あっせん書」の取得が必要です。
融資あっせん書は、東京商工会議所文京支部へ申し込み後に、審査を経て文京区経済課産業振興係から発行されます。
相談日時は電話での事前予約制となっており、平日9時30分～16時30分の間で約60分間の相談時間があります。
文京シビックセンター地下2階の「東京商工会議所文京支部」に融資相談に行き、相談員（中小企業診断士）へ申し込みに必要な書類を提出します。
事業内容・融資希望額などを確認し、制度の資格要件に該当するか判断されます。
創業支援資金の融資あっ旋に必要な書類は以下の通りです。
その他に必要な書類を求められた場合は、書類を準備して提出しましょう。
| 文京区 創業支援資金 融資あっせんの申し込み時必要書類 | |
|---|---|
| 法人企業 | 個人事業者 |
| 文京区中小企業向け融資あっせん申込書 （東京商工会議所文京支部の窓口で取得） | |
| 創業計画書 文京区指定の様式（DL） | |
| 自己資金額が確認できる書類 （預金通帳、預金証明書など） | |
| 履歴書 代表者の履歴書（DL） | |
| 直近の確定申告書 （提出している場合のみ） | |
| 法人都民税及び法人事業税の 納税証明書 （発行から3か月以内） | 特別区民税の納税証明書 （発行から3か月以内） |
| 直近事業年度の 法人税申告書、決算書 及び法人事業概況説明書 | 直近の青色申告決算書 （創業後の個人事業主で 提出している場合） |
| 履歴事項全部証明書 （原本かつ発行日から 3か月以内） | 個人事業税の納税証明書 （提出している場合） |
| 法人の印鑑証明書 （原本かつ発行日から 3か月以内） | 個人の印鑑登録証明書 （原本かつ発行日から 3か月以内） |
| – | 源泉徴収票 （給与所得者のみ） |
| 見積書 （設備の購入がある場合） | |
| 資格取得証明書 （許認可等を必要とする業種の場合） | |
文京区から交付された融資あっせん書を指定の取扱金融機関に提出して、融資相談を申し込みます。
融資あっせん書は交付後2ヵ月間が有効期限となっていますので、早めに相談や申し込みを行うことが重要です。
文京区の創業融資が対応可能な金融機関は、以下の通りです。
| 文京区の創業融資の取扱金融機関 | |
|---|---|
| 銀行名 | 支店名 |
| みずほ 銀行 | 江戸川橋支店／駒込支店／動坂支店／ 根津支店／本郷支店／飯田橋支店／ 大塚支店／池袋支店 |
| りそな 銀行 | 本郷支店／茗荷谷支店 |
| 三菱UFJ 銀行 | 飯田橋支店／江戸川橋支店／神楽坂支店／ 春日町支店／駒込支店／本郷支店 |
| 三井住友 銀行 | 池袋東口支店／上野支店／大塚支店／ 小石川支店／高田馬場支店／白山支店 |
| きらぼし 銀行 | 春日町支店／滝野川支店店 |
| 北陸銀行 | 白山支店／上野支店 |
| 東日本銀行 | 上野支店／飯田橋支店／駒込支店／ 高田馬場支店／白山支店 |
| 商工組合 中央金庫 | 池袋支店／上野支店 |
| 朝日 信用金庫 | 上野支店／大塚支店／小石川支店／ 神明支店／根津支店／湯島支店 |
| 城北 信用金庫 | 上野支店／巣鴨支店／駒込支店／ 動坂支店／東池袋支店 |
| 興産 信用金庫 | 飯田橋支店／神保町支店／秋葉原支店 |
| 芝信用金庫 | 神田支店 |
| 巣鴨 信用金庫 | 本店／大塚支店／春日町支店／ 駒込支店／水道支店／西日暮里支店／ 東池袋支店／早稲田支店 |
| 瀧野川 信用金庫 | 田端支店／白山支店 |
| さわやか 信用金庫 | 牛込支店 |
| 東京 信用金庫 | 江戸川橋支店 |
| 東京三協 信用金庫 | 本店（仮店舗）／早稲田支店 |
| 東京シティ 信用金庫 | 江戸川橋支店／神楽坂支店／秋葉原支店 |
| 西武 信用金庫 | 飯田橋支店／本郷支店 |
| 中ノ郷 信用組合 | 小石川支店／江戸川橋支店 |
| 第一勧業 信用組合 | 秋葉原支店／神楽坂支店／巣鴨支店 |
| 大東京 信用組合 | 大塚支店 |
| 東京厚生 信用組合 | 浅草支店 |
| 文化産業 信用組合 | 本店 |
融資の申し込みをした金融機関にて、融資の実施可否に関する審査が実施されます。
審査では、提出した書類の内容をもとにビジネスプランや財務状況を詳しく調査して検討されます。
審査を無事にクリアすると、次に金融機関から信用保証協会に審査申請が行われます。
民間金融機関の審査のみで融資が決定されるわけではないため注意が必要です。
中小企業者が金融機関から事業に必要な資金を借り入れる場合に、保証人となって企業の信用力を補完することで融資を受けやすくなるようサポートしてくれる公的機関です。
保証協会の審査では、個人の通帳確認や事業所の現地調査など、細部にわたり慎重に審査が行われます。
追加の書類提出を求められることもあるため、必要に応じて準備しましょう。
保証協会での審査が終わったら、民間金融機関経由で融資の可否が通知されます。
審査の結果、融資額が当初の申し込みから減額される場合や、融資が受けられない場合もあります。
民間金融機関・信用保証協会の審査が完了した後に、契約が行われ、融資金が支払われます。
契約内容に誤りがないか、しっかりと確認することが大切です。
さらに、融資を受けている期間中に事業所を文京区外へ移転したり、事業を廃止・休業（6か月以上）すると、利子補助が停止するため注意が必要です。
文京区の創業融資を受けた感想
新しいビジネスを始める際は、予想外の出費も多く、資金の計画は慎重に立てる必要があります。
文京区の創業融資を検討している場合は、申請から承認までに時間がかかるプロセスを考慮して、余裕を持った資金計画を立てましょう。
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