日本政策金融公庫の面談で手応えがないときの対策方法

日本政策金融公庫の面談で手応えがないときの対策方法

監修者:渡部 豪(公認会計士)

KPMGあずさ監査法人で勤めたのち、ベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)へ就任。
創業期の会社のデットファイナンス(融資)を複数支援した実績を持つ。
【主な支援実績】
融資額:最大5億円(コンサル会社)
創業融資額:最大6500万円(EC会社)

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資金調達で公庫の融資制度を活用するにあたって、公庫の面談は融資の可否に大きく影響する非常に重要なステップです。

「公庫の審査担当者と面談し、手応えがなかったように感じる・・・」と不安に思う方も多いでしょう。

特に融資が必要なタイミングでは、お金に困っている事が多く、融資の成功可否が事業に直結します。

そこで、これまで公庫の面談を100回以上支援してきた経験から、日本政策金融公庫の面談で手応えがないときの対策方法をご紹介します。

面談で手応えを確かめる方法や公庫の審査に落ちた際の対策についても解説しますので、資金調達の可能性を高めることが可能です。

面談に自信が持てず、資金調達に成功するかどうか不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

日本政策金融公庫の面談

公庫の面談は必ずある

公庫の融資を申請するにあたって面談は必須条件となっています。

公庫は通常の銀行とは異なり、預金機能を持たない金融機関です。

融資を行う際には、「貸しっぱなし」の状態で、回収できない可能性もあるため、慎重な審査が求められます。

通常の銀行では、売上の入金口座を自行に指定することで、万が一の際に預金保全が可能ですが、公庫にはそのような仕組みがありません。

また、公庫の融資は、大金を貸すことでわずか数%の利息を得るビジネスモデルであり、失敗する余地を最小限に抑えるために、厳格な審査が行われます。

さらに、公庫は国の運営する公的金融機関であるため、失敗した場合、その負担は国民全体に及びます。

公庫の面談では、このようなリスクと責任を常に念頭に置き、慎重な判断が行われることを理解しておきましょう。

面談の概要

公庫の面談は、管轄支店で通常1時間程度の時間をかけて行われます。

面談では、公庫の審査担当者が創業の動機や経営者の略歴、事業計画の見込みなどについて詳細にヒアリングを行います。

面談での印象や受け答えは、融資の可否に大きな影響を与えるため、準備を怠らず、自信を持って面談に臨むことが重要です。

公庫の面談で聞かれることの詳細は以下の記事でまとめているので、参考にしてください。

面談で手応えありと判断できるケース

【面談で手応えありと判断できるケース】
・審査担当者が融資条件の話をしてきた
(金額、金利、期間)
・公庫ダイレクトの登録をすすめてきた
・面談の時間が短い
・審査担当者に役職がない

審査担当者が融資条件の話をしてきた(金額、金利、期間)

面談中に、審査担当者が具体的な融資条件に触れる場合、前向きな検討をしており、手応えがある可能性が高いです。

特に、金額について「申請額から減額になるかもしれないが・・・」という話が出た場合、融資不可(0回答)という結果はないと思って良いでしょう。

融資不可(0回答)の場合は、「次回決算までは難しい可能性がありますが・・・。」など、減額よりも融資可否そのものについて予防線を張るケースが多いです。

公庫ダイレクトの登録をすすめてきた

近年は日本政策金融公庫も電子化を推進しています。

残高証明書や返済予定表など、従来は紙で発行していたものを、「公庫ダイレクト」といったシステムに置き換えることを強く推奨しています。

この公庫ダイレクトは融資実行後を見据えたものであるため、面談中にシステム登録を案内された場合、手応えがある兆候と言えます。

公庫ダイレクト

面談の時間が短い

公庫との面談時間は、通常1時間程度ですが、30分など短時間で面談が終了する場合があります。

これは、審査担当者が事業に精通しており相当優秀かつ、準備した資料が完璧である場合によくあるケースです。

面談時間が短時間で終了するということは、審査担当者が事業について迅速に理解し、公庫内での決裁獲得に自信を持っている可能性が高いため、手応えがあると言えるでしょう。

余談ですが日本創業融資センターのお客様実績では、日本政策金融公庫の面談時間の最短記録は24分です。

担当の審査官が要領を得て優秀な方だったというのも大きく、もちろん融資は満額承認されました。

審査担当者に役職がない

公庫で審査が難しいと見なされる融資案件に対しては、役職の高い人が担当するケースが多いです。

逆に、比較的簡単だと判断された案件は、役職のない職員でも審査担当者として判断を任されることがあります。

公庫の役職表
役職名キャリア(例)
役職なし新卒~第二新卒
課長代理入社5年目以降の中堅
上席課長代理30代後半のベテラン

審査担当者が役職のない場合、公庫としてはリスクが低い案件と判断された可能性が高く、手応えがあると言えるでしょう。

なお、課長は融資の決裁を行う立場であるため、面談ではあまり登場しないことが一般的です。

面談で手応えがないと判断できるケース

【面談で手応えがないと判断できるケース】
・審査担当者が否定的な反応が多かった
・面談に1時間以上かかった
・審査担当者の役職が高い
・事業計画の進捗を様子見と言われた

否定的な反応が多かった

審査担当者が、質問への回答に対してネガティブな反応を示す場合、審査結果が厳しくなる可能性があります。

実際に面談の雰囲気がピリついていたり、審査担当者を攻撃的で粗探しを行っているように感じた場合は、審査結果もあまり期待できないケースが多いです。

このような雰囲気を察知した場合は、自身の回答に何か問題が生じているものとして慎重な回答を心掛ける必要があります。

面談に1時間以上かかった

面談が1時間半や2時間以上にも及ぶ場合、審査担当者が情報収集に時間をかけ、審査に慎重に取り組んでいる可能性があります。

特に、審査担当者が審査を落とすかどうかの判断ラインを考えている場合は、面談時間が長引きがちです。

面談の時間が長いほど、審査担当者は融資に真剣に取り組んでいるといった考え方もあるでしょう。

一方で、優秀な担当者であれば30分程度で面談を終了し融資を可決させている事実を考えれば、面談時間が長引いているということは、承認に至るまでの材料を必死に探す必要があり、当落線上にあるのだといった理解もできます。

審査担当者の役職が高い

上席課長代理や課長代理などの役職者が面談に登場する場合、厳しい審査を行うべき案件とみなされている可能性が高いです。

これらの役職者は多くの融資審査を経験し、リスクについて深い知識を持っているため、特に面談では厳しい質問も多くなります。

公庫の役職表
役職名キャリア(例)
役職なし新卒~第二新卒
課長代理入社5年目以降の中堅
上席課長代理30代後半のベテラン

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事業計画の進捗を様子見と言われた

審査担当者からの「事業計画の進捗をもう少し様子見たい」という発言。

この言葉は、審査落ちを最もマイルドに表現したものです。

このような発言があった場合、事業計画が審査担当者に全く信頼されていないといえます。

とくに財務データやKPIなどの実績が不足している場合や、将来の計画が非現実的なものである場合、審査担当者は事業計画を評価不能と判断することがあります。

「6ヵ月~1年後の事業計画の具体的な進捗や実績をみてもう一度検討したい」という言葉は、今は融資NGといった評価であると捉えましょう。

面談での手応えを確かめる方法

公庫の面談で手応えを確かめるための方法は、面談の最後に、審査担当者に対して「何か懸念点はありますか?」と率直に尋ねることです。

これから公庫との面談を控えている方は、面談の最後に必ず聞くようにしましょう。

審査担当者から「懸念点」として出てくるポイントは、審査に落ちるか受かるかの分かれ目となる論点であり、融資の可否に大きく影響します。

審査担当者から出てくる懸念点の例として、いくつか挙げてみます。

「自己資金がちょっと少ないので」
「まだ市場にない新規ビジネスのため、事業計画が本当にいくかどうか」
「赤字の月が続いているためもう少し様子を」
「会社資金の私的な利用がありますね」

これらの懸念点は、すべて丁寧に解決していく必要があります。

自己資金不足に対する対処や、事業計画の確実性に対する説明など、合理的かつ具体的な回答ができないと、減額や融資不可といった結果を招きかねません。

面談で失敗しないために避けるべきNG行動

公庫の面談で失敗しないために、これだけは避けるべき行動を3つご紹介します。

【面談で避けるべきNG行動】
・「いくらなら貸せますか?」と聞く
・「別の人に聞かないと分からない」と言ってしまう
・「売上計画は気合のみで達成する」と思われてしまう

「いくらなら貸せますか?」と聞く

融資の金額について直接尋ねることは避けましょう。

資金計画を決定するのは、申請者であって公庫ではありません。

審査担当者に「使途が決まってないお金を求めている」という印象を与えてしまい、資金計画を立てる能力に疑念を抱かれる可能性があります。

本来資金調達とは、事業を成功させるために不足している資金を調達するためにあり、手元に出来るだけ現金をおくことが目的ではありません。

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「別の人に聞かないと分からない」と言ってしまう

自社の財務数値について、他の人に依存していることを示す発言は、信頼性を損なう可能性があります。

経営者自身が自社の利益構造を把握しておくことは、経営能力の評価する上でも非常に重要です。

財務回りは経理に任せている社長も多いですが、自身の事業に関する財務情報に対して責任を持ち、自信を持って説明できるようにしましょう。

「売上計画は気合のみで達成する」と思われてしまう

売上計画について、気合だけで達成するという印象を与えないようにしましょう。

審査担当者も公庫内部で融資決裁が必要なため、具体的かつ合理的な根拠や行動計画の説明が求められます。

審査担当者の判断だけでなく、上の決裁者を納得させるためにも、成功に向けての具体的な戦略や取り組みについて伝えることが必要です。

公庫の面談を再現した質問と模範回答、審査一発NGとなる怖い質問への対応方法などを以下の記事でまとめています。

これから面談を予定している方は、ぜひ参考にしてください。

公庫の面談についてよくある疑問

面談で手応えがなかったのですが、面談後に何かやれることはありますか?

公庫の融資審査は概ね面談で決まりますが、面談で手応えを感じなかった場合でも、やれることはあります。

まだ審査結果が出ていない場合は、面談時に上手く答えられなかったことを補足で説明することもひとつの方法です。

面談時に審査担当者から名刺をもらえますので、電話で連絡をしてみましょう。

通帳を提出しましたが、その後も定期的にチェックされますか?

会社の入出金に怪しい記録がないか、決算値との整合性などについて公庫が確認を行うため、面談時に通帳の提出は必要です。

面談後に、公庫から定期的に通帳をチェックされることはありませんが、年に1回、決算書を提出する必要があります。

融資を断られたときの理由は分かりますか?

融資が断られた場合、理由については濁されるケースが多いのが現実です。

審査に落ちた理由は、再度融資の申請を行う際に改善できるため、知っておくことが非常に重要です。

審査担当者から審査結果について電話で連絡があるので、直接理由を聞いてみましょう。

それでもはっきりしない場合は、審査落ちの理由をまとめた記事がありますので、参考に面談を思い返して想像してみましょう。

公庫の審査に落ちた際の対応

公庫の審査に通らなかった場合、他に資金調達の選択肢はないのではとそう悲観する必要はありません。

他の資金調達の選択肢として、信用保証協会の融資に申し込む方法があります。

信用保証協会は、中小企業や個人事業主向けに融資の公的な保証人として債務の保証をしてくれる公的機関です。

保証協会と信用保証制度

参照元:全国信用保証協会連合会HP(もっと知りたい信用保証)

創業5年未満であれば、連帯保証が不要な創業融資制度も存在します。詳しくはこちらの記事をご参照ください。

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公庫の面談を確実に成功させたい、必ず資金調達をしたいとお考えの方は、ぜひ日本創業融資センターにお任せください。

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