【まとめ】日本政策金融公庫との100回の面談で聞かれたこと

【まとめ】日本政策金融公庫との100回の面談で聞かれたこと

監修者:渡部 豪(公認会計士)

KPMGあずさ監査法人で勤めたのち、ベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)へ就任。
創業期の会社のデットファイナンス(融資)を複数支援した実績を持つ。
【主な支援実績】
融資額:最大5億円(コンサル会社)
創業融資額:最大6500万円(EC会社)

起業やビジネス拡大を目指すにあたって、資金調達は避けて通れない道です。

多くの起業家や事業者にとって魅力的な融資制度がある日本政策金融公庫の利用を考えている方も多いでしょう。

特に融資面談での受け答えは、審査結果に大きく左右するためしっかりと対策が必要です。

本記事では、これまで当社で100件超の融資支援をサポートしてきた経験から、日本政策金融公庫との面談でよく聞かれる質問をランキング形式でまとめました。

融資面談の際にどのような質問をされるのか、質問に対してどのような回答を準備すればいいのか解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、国が株式の100%を常時保有する金融機関で、創業者や小規模事業者に向けて事業資金を融資する支援をしています。

特に、創業融資では個人保証が不要であり、超低金利のコロナ融資などお得な融資制度が多く提供されています。

公庫の融資制度を利用する場合は、必ず審査担当者との面談があります。

公庫の融資制度については、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

面談の重要性

公庫が申請者の返済能力や事業の将来性を評価するためにも、面談は重要なプロセスです。

公庫と初めて取引をする際に、初回の面談は必須となります。

2回目以降の面談は行われない場合もありますが、基本的に初回取引は面談なしで融資が承認されることはありません。

公庫の面談は、申請者の人柄や事業に対する意欲、事業の戦略や見込みを確認して、融資の可否を判断する上での材料になります。

面談の受け答えは、融資可否に大きく影響するため、しっかりと準備しておく必要があります。

「公庫の面談で聞かれる質問ランキング」ではなく、公庫の面談の流れや注意点について詳しく知りたい方は、下記の記事で面談の質問と模範回答を詳細にまとめていますので、さらに面談を成功させるための参考にしてください。

100回の面談で聞かれたことTOP10

これまで当社が融資支援サポートをしてきた経験から、公庫の面談でよく聞かれる質問をランキング形式でまとめました。

面談前で時間がない方は、本ランキングを参考にして面談に向けてしっかりと準備を整えましょう。

順位出現率面談で聞かれたこと
1位100%事業をはじめたきっかけ
2位100%事業の計画・見通し
3位100%売上計画の根拠
4位100%従業員の数と今後の採用計画
5位100%融資の目的と必要資金総額・調達予定
6位100%既存の借入内容(法人・代表者個人)
7位100%預金の金額と取引内容
8位85%経営者の経験・経歴
9位80%競合の存在・差別化の要素
10位75%得意先と仕入・外注先について
情報元:日本創業融資センター「日本政策金融公庫との面談実績(~2023年10月31日)」

1位出現率:100%

事業をはじめたきっかけ

「事業をはじめたきっかけ」は、事業者の情熱やビジョン、そして事業の方向性を理解するために必ず聞かれる質問です。

多くの起業家は、自らの経験を活かし社会のニーズに応えるために事業を始めます。
そのため、創業するにいたった具体的なエピソードや原体験をもとに、事業を始めた動機を語ることが重要です。

ここでアピールすべき点は、事業にかける熱量です。銀行は5年や10年といった長期の融資を行います。
事業をはじめたきっかけが、そのような長期間にわたって継続できる動機となっているかを説明しましょう。

2位出現率:100%

事業の計画・見通し

「事業の計画・見通し」も、公庫が貸付金の返済能力を審査するうえで重要視されるため、必ず聞かれる質問です。

特に創業の場合、新しい事業は最初の数年間で安定した収益を得ることは簡単ではありません。
創業期にどのように収支計画を立て、返済余力を確保するかについて問われます。

たとえ今の業績が良くても、それが一時的であると判断された場合は融資が降りないケースがあります。
一時的な好業績ではなく、将来にわたって再現性をもって収益を確保し、借入金を返済するために、事業が持続的に収益を上げ、収支をしっかり管理できることをアピールしましょう。

売上予測、費用予測、キャッシュフロー予測など具体的かつ現実的に計画し、将来のビジョンを示すことが不可欠です。

創業融資の返済期間は、一般的に5年から10年といった長期的なものです。
そのため、融資面談での収支計画は、3ヵ年計画以上を含むことが求められます。

今の業績が良くても、将来にわたって収益を確保して借入金を継続して返済できる計画が必要です。

3位出現率:100%

売上計画の根拠

「事業の計画・見通し」のなかでも、特に重要なのが「売上計画の根拠」です。

売上計画は、金融機関が返済能力を評価するうえで最も重要な審査項目となります。
「売上計画の根拠」の説明にあたっては、現在の顧客基盤について、新規客メインのフロー収入なのか、継続客メインのストック収入なのかが重要となります。

新規客メインのフロー収入の場合、新規客の具体的な獲得戦略はあるのか
継続客メインのストック収入の場合、継続客による将来期間に対する発注の期待はどの程度か

といったように、どのようにして新規顧客を獲得し、既存顧客を維持・拡大するかといったマーケティング戦略の説明が最重要です。新規客については、ウェブ広告・紹介・テレアポといったマーケティングチャネルと獲得方法を具体的に説明する必要があります。

ここでの注意ポイントは、売上計画が「絵に描いた餅」にならない事です。
根拠のない急成長ストーリーは、多くの銀行担当者にとって信用に値するものではありません。

低成長でも一定の売上を「確実に」上げられるかといった点がポイントになります。

4位出現率:100%

従業員の数と今後の採用計画

「従業員の数と今後の採用計画」についても必ずといっていいほど質問されます。
事業者がどれだけの人員を雇用し、将来的にどのような採用計画を持っているか説明しましょう。

特にコンサルティングや受託開発・クリニック等の労働集約型のビジネスでは、顧客にサービス提供できる人材が確保できなければ売上は立ちません。「売上計画の根拠」として、多数の顧客からの受注見込みを示せたとしても、その受注に対応できる人材が採用できなければ売上計画は達成不可能と評価されますので、どのような媒体や手法を使って採用するのかといった採用戦略や、採用・教育の方針について具体的に説明できる必要があります。

加えて、売上を上げても利益が出なければ借入金は返済できません。そのため、それらの新規採用に関する人件費や採用費が、事業の収益性に対しどの程度の負担をかけているかも評価されます。

採用する従業員は、少なすぎても多すぎても問題ですので、合理的かつ適切な採用計画を説明しましょう。

人員の増員は特別利率適用の対象となることがあるため、詳細な採用計画を提示することが理想です。

公庫の特別利率については、以下の記事で解説していますので参考にしてみてください。

5位出現率:100%

融資の目的と必要資金総額・調達計画

融資を申し込むからには、「融資の目的と資金の使途」は必ず聞かれます。

金融機関は、貸したお金を確実に回収する必要があり、事業に関係のない浪費のためにお金を貸すことはできません。
事業の拡大や新規プロジェクトの実施、設備の購入、運転資金の補充など、必要な資金総額がいくらになるのか、各項目に対して適切な金額を設定して明確に説明する必要があります。

資金の調達計画とは、どのようにして必要な資金を調達するかについての現実的な計画となります。
融資だけでなく、自己資金、投資家からの資金調達、補助金など、あらゆる資金調達手段を検討し、それらを組み合わせた戦略を示しましょう。

特に、公庫の融資が降りない場合に備えたプランの用意が重要です。

事業が公庫の融資に依存しており、もし融資が降りなかった場合に事業が破綻するようなプランは、基本的に審査は厳しくなります。公庫の融資が降りなかった場合の代替プランも考えておきましょう。

6位出現率:100%

既存の借入内容(法人・代表者個人)

「既存の借入状況」は、企業の返済能力と代表者の連帯保証能力を評価するために必ず質問されます。

金融機関が最も恐れるのは返済不能による貸し倒れです。

事業の収支状況や利益率に加え、現在の借入の返済を含めたキャッシュフローを説明し、新規の借入金の返済にどれだけの余力があるかを示すことが求められます。

また、公庫の融資によってオーバーローンに陥らないかも、返済計画の健全性を評価するために必ず聞かれます。
仮に公庫の融資によってオーバーローンに陥ると判断される場合、融資が降りない可能性が高まります。

オーバーローンの具体的な目安ですが、既存の借入金と公庫の融資をあわせて、毎月の約定返済が事業の利益を上回る状態だと返済不能になるリスクが高まるオーバーローンとされています。

公庫は、既存の利益水準のみでなく、事業計画における将来の利益成長見込みも加味し、融資の妥当額を算出します。
オーバーローンと判断されないよう、事業計画を通じて将来の返済能力をアピールしましょう。

7位出現率:100%

預金の金額と取引内容

「預金の金額と取引内容」も公庫にとって非常に重要な審査項目で、初回取引では基本的に通帳を提出します。

金融機関には保全という考え方があり、返済が滞ったときに備えて一定の預金を常に確保したいと考えます。
そのため、「預金の金額」は、万が一の際の保全として十分な預金額が存在するかといった観点で重要です。

加えて、企業の決算書には時折、融資の際の評価を良くしようと収益の水増しや費用の過少計上など粉飾が存在します。
そのような粉飾の兆候は「預金の残高」や「預金取引明細」に歪として現れることが多いため、決算との乖離がないかの確認にもなります。

詐欺や不正融資を防止するためにも、申請者の預金や売上が架空ではないか、秘匿されている怪しい支出や取引がないかなどをチェックします。

融資面談の前に、通帳履歴を確認し、すべての入出金について説明できるようにしましょう。

8位出現率:85%

経営者の経験・経歴

「経験者の経歴・経験」も、公庫の審査担当者の大きな関心ごとの一つです。

理由は、事業計画を達成するための実力や専門知識を持っているかどうかを評価する必要があるからです。

特に売上実績のない創業期の場合、事業がうまくいくかどうかの判断材料は、究極的にはその事業領域での経営者の経歴・経験のみとなります。

その事業領域における経験が豊富な経営者は、事業計画の遂行やリスク管理において信頼性が高く、融資においても有利になります。

一方で、異業種起業などは不利に働くケースがあるため、売上実績がない場合、いかに自身の経験と事業を紐づけるかがポイントになります。

事業に役立つ経験やスキル、資格、人脈は、審査においてプラス材料になるため、しっかりとアピールしましょう。

9位出現率:80%

競合の存在・差別化の要素

公庫の融資期間は最大10年と長期間にわたります。

そのような長期の融資に耐えるためには、売上の安定性が求められます。

「競合の存在・差別化の要素」は、売上の安定性がどれだけあるか、といった観点で非常に重要です。
売上が既に好調であっても、参入障壁・模倣難易度の低いビジネスである場合、将来的には売上が縮小し返済に影響が出る可能性もでてくるため、融資可否の判断にもマイナス材料となってしまいます。

競合が存在したり、市場の競争が激しい場合、競争力を維持し続ける戦略や差別化要素を説明できるようにしましょう。

10位出現率:75%

得意先と仕入・外注先について

得意先」と「仕入・外注先」の信頼性とリスクは、事業の収益性や運営に直結するため、よく聞かれる質問です。

いくら売上が上がっても、得意先から売上代金を回収できなければその売上はなかったものと同じことになります。

そのため、得意先の信用リスクを評価するために、「得意先の信用情報」について審査ではよく聞かれます。

特に、中小零細企業との取引は、信用リスクの観点から注意が必要です。

得意先からの売上債権の回収が不確かである場合、融資返済に支障をきたす可能性があります。

中小零細企業が得意先であれば、売上債権はきちんと回収できるのか説明が求められるでしょう。
一方、得意先が大手企業の場合、その信頼性と支払能力は一般的に高いと見なされ、売上債権が回収できないリスクは低いと評価されます。

また、「特定の仕入先・外注先」に依存している場合、その依存度が高すぎると、事業を継続できないリスクも高まります。代替不可能な仕入先・外注先がある場合、事業に悪影響を及ぼす可能性があるため、審査では厳しく見られます。

得意先からの売上債権の回収リスク、仕入先・外注先の代替可能性などについて十分に説明し、リスクを最小限に抑える戦略を説明しましょう。

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これまでの100件を超える融資面談の成功体験から、審査に落ちる回答・審査に通る回答といったノウハウを持っており、公庫の面談のコツを熟知しています。

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