日本政策金融公庫の創業融資の流れは?目安のスケジュールもあわせて解説
監修者:渡部 豪(公認会計士)
KPMGあずさ監査法人で勤めたのち、ベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)へ就任。
創業期の会社のデットファイナンス(融資)を複数支援した実績を持つ。
【主な支援実績】
融資額:最大5億円(コンサル会社)
創業融資額:最大6500万円(EC会社)
日本政策金融公庫の創業融資を受けたいと考えているけれども、流れやスケジュールの目安などがわからなくて不安に思っていないでしょうか。
創業融資は、売上や利益といった実績がまだない新規事業者でも融資を受けられる可能性のある制度です。
民間の金融機関からの融資も存在しますが、会社設立初期の事業者が利用するにはハードルが高く、実績がない段階では利用が難しいのが現状です。
そこで本記事では、日本政策金融公庫の創業融資の基本的な流れを解説します。
融資までの流れを事前に理解しておけば手続きをスムーズに進められます。
開業を考えている方や融資を検討中の経営者は、ぜひ参考にしてください。
日本政策金融公庫の創業融資のスケジュール
公庫から創業融資を受ける場合、申込みから融資実行までの期間は通常1ヵ月~2ヵ月程度かかります。
実際に各工程でかかる日数の目安は以下のとおりです。
公庫の創業融資のスケジュール目安 | |
---|---|
工程 | 日数 |
申込み | 0日 |
担当者から面談の案内 | +3~7日 |
面談日 | +1~10日 |
可否決定日 | +7~10日 |
契約日 | +5~10日 |
融資金着金日 | +3~14日 |
トータル期間 | 30~50日 |
各ステップをスムーズに進められれば、1ヵ月程度で融資を受けられる可能性がありますが、審査にかかる期間は、公庫の営業日や融資担当者の予定、申し込む時期などによっても変わってきます。
書類の不備や準備不足があった場合は、融資までの期間が長期化してしまうため、十分な余裕をもって入念に準備して申し込みましょう。
日本政策金融公庫の創業融資の流れとポイント
公庫の創業融資の申込みから契約までの基本的な流れを解説します。
融資の申請を検討している創業して間もない方、個人企業・小規模企業の方は、事業資金相談ダイヤルへ電話または公庫の支店窓口にて相談できます。
事前相談は、融資の審査担当者ではなく、一般的な事務スタッフが対応します。
そのため、具体的な融資の可否や条件に関する詳しい回答は得られませんが、基本的な申込み方法や必要書類などは案内してくれます。
融資を申請するのに必要な主な書類は以下のとおりです。
創業融資の申込み時に必要な書類一覧 | ||
---|---|---|
書類名 | 必須 or 任意 | 入手方法 |
借入申込書 | 必須 | 公庫HPより DL可 |
創業計画書 | 必須 | 公庫HPより DL可 |
履歴事項全部証明書 | 必須 | 法務局で入手 |
運転免許証 | 必須 | パスポートも可 |
許認可証 | 任意 (許認可が必要な事業の場合) | 各規制官庁より入手 |
見積書 | 任意 (設備資金を申込の場合) | 発注先の業者から入手 |
最近の試算表 | 任意 (すでに創業後の場合) | 顧問税理士より入手 |
決算書・確定申告書 | 任意 (すでに創業後の場合) | 顧問税理士より入手 |
これらの書類のほか、事前相談で案内された必要書類があった場合は用意しましょう。
履歴事項全部証明書(登記簿)など発行に時間がかかる書類もあるため、事前に確認しておくことが重要です。
公庫の融資を受ける際の必要書類については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
必要書類が揃ったら、融資の申込みをしましょう。
準備した書類は、窓口のほか、郵送やオンラインでの提出も可能です。
オンラインでの提出は「公庫の公式サイト」から24時間365日対応しています。
申込み時に必要な借入申込書は、正しい書き方が求められるため提出前に内容に誤りがないかよく確認しましょう。
具体的な書き方を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
申込みが受け付けられると、公庫の支店で面談が行われます。
約1時間程度の面談で、事業内容や融資の目的、資金の使い道の根拠などを詳しく聞かれます。
面談で審査落ちする場合もあるので、具体的かつ論理的に説明できるように事前に準備しておくことが重要です。
面接を成功させるポイントや準備方法などは、以下の記事で詳しく紹介しています。
事前に質問される内容を把握して、質問に対する明確な回答を準備しておきましょう。
面談の後、公庫内で審査が行われ、融資の可否が決定します。
融資の可否にかかわらず、結果は面談後1週間ほどに電話で連絡されます。
なお、公庫によると、申込みから融資決定までの平均所要日数は2週間です。
ここまで2週間程度で進められていれば、スムーズに手続きが進んでいるといえます。
融資が認められると、5~10日程度で融資の案内や借用証書などの書類一式が郵送されるので、その後契約手続きに進みます。
書類には融資条件や返済方法などの詳細が記載されているため、内容に間違いがないかよく確認しましょう。
契約書類を記入して返送したら、3日~2週間程度で指定の口座に入金されます。
返送した書類に不備があると再提出の必要があり、入金まで余計な時間がかかってしまいます。
返送前に記入内容を再確認しておきましょう。
入金タイミングを早める具体的な方法は、以下の記事で解説していますので参考にしてください。
【実例紹介】公庫の創業融資で申込みから審査完了までにかかった期間
実際に日本創業融資センターで融資支援をさせていただいた実績(創業融資 累計100社超)では、申込みから融資完了まで平均1ヵ月、最短で15日でした。
最長でも38日という結果です。
創業融資の審査期間 | |||
---|---|---|---|
平均実績 | 最短記録 | 最長記録 | |
申込み~融資面談 | 10日 | 8日 | 13日 |
融資面談~審査完了 | 15日 | 7日 | 25日 |
トータル | 25日 | 15日 | 38日 |
公庫の創業融資の審査期間については、以下の記事で詳しく解説しています。
公庫の創業融資の申請準備が大変なあなたへ
自分で事業を立ち上げるときには、開業資金はもちろん、事業が軌道に乗るまでの運転資金も必要です。
創業融資であれば、起業するときの事業資金を低金利で調達できますが、簡単に借りられるわけではありません。
さらに、創業計画書や借入申込書など融資を受けるための資料作成や、面談対策にも時間がかかります。
そのような融資手続きにかかる時間と手間を限りなくゼロにして事業に集中するため、日本創業融資センターへ一度ご相談してみてはいかがでしょうか。
当センターに在籍する会計士・税理士・CFO経験者が必要書類の準備や、借入申込書・創業計画書といった提出書類の作成支援に加えて、審査面談対策など一気通貫した支援を行います。
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