認定支援機関に依頼するメリット3選【公庫の創業融資における役割を解説】
監修者:渡部 豪(公認会計士)
KPMGあずさ監査法人で勤めたのち、ベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)へ就任。
創業期の会社のデットファイナンス(融資)を複数支援した実績を持つ。
【主な支援実績】
融資額:最大5億円(コンサル会社)
創業融資額:最大6500万円(EC会社)
創業を考えている起業家にとって、日本政策金融公庫の創業融資を利用しようと考えている方も多いでしょう。
しかし、創業融資のプロセスは複雑で、正確な情報やアドバイスが必要です。ここで注目すべきなのが、認定支援機関の存在です。
認定支援機関は、日本政策金融公庫の創業融資において重要な役割を果たしています。
本記事では、認定支援機関に依頼するメリットに焦点を当て、日本政策金融公庫の創業融資における役割を詳しく解説します。
起業家の皆さんが資金調達を成功させるために、認定支援機関の活用方法について参考にしてください。
認定支援機関(正式名称:認定経営革新等支援機関)とは
認定支援機関とは、税理士・公認会計士・中小企業診断士・金融公庫機関等で構成される、国の認定を受けた中小企業支援の専門家のことをいいます。
中小企業の経営力強化を目的としており、中小企業の持続可能な成長をサポートする役割を果たしています。
【認定経営革新等支援機関(認定支援機関)】
中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にある者として、国の認定を受けた支援機関(税理士、税理士法人、公認会計士、中小企業診断士、商工会・商工会議所、金融機関等)
情報元:認定支援機関 | 経済産業省 中小企業庁 – ミラサポPlus
認定支援機関に依頼する3つのメリット
融資申請は、書類の作成や準備、面談など多くのステップがあり、審査を通過するのも簡単ではありません。
特に、初めて融資を申請する方にとって、認定支援機関の利用は大きなアドバンテージとなり、不安を解消できます。
認定支援機関に依頼するメリットは、主に3つあります。
【認定支援機関に依頼するメリット】
1.使える融資制度の種類が増える
2.金利の優遇・融資額の増大・負担の軽減・確度アップ
3.補助金や助成金の選択肢が増える
メリット1:使える融資制度の種類が増える
認定支援機関を利用する最大のメリットの一つは、使える融資制度の種類が増えることです。
公庫はさまざまな融資制度を提供していますが、最もポピュラーな融資制度として「新創業融資」があります。
2,000万円以内までは無担保・無保証人で利用できるため、新たに事業を始める起業家や新規事業者によく利用されています。
日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」が活用できる
認定支援機関を利用することで、「新創業融資」に加えて「中小企業経営力強化資金」という融資制度も活用できます。
融資限度額が7,200万円(うち2,000万円まで無担保・無保証)と、「新創業融資」と比べて融資限度額も高くなるため、資金調達の幅が広がります。
さらに、特別利率Aが適用されるため、「新創業融資」の基準利率よりも0.2~0.5%低い金利で融資を受けることが出来ます。
返済の際に金利負担を軽減できるため、高額な資金調達を考えている方にとっては、非常に魅力的な融資制度です。
「中小企業経営力強化資金」の制度概要 | |
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融資金額 | ~7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
対象 | 新たに事業を始める方 または 事業開始後おおむね7年以内の方 かつ 認定支援機関による 指導および助言を受けている |
資金使途 | 創業時の運転・設備資金 |
金利 | 1.7~3.0%(特別利率A) |
返済期間 | 設備資金20年以内 運転資金7年以内 |
据置期間 | 2年以内 |
担保・ 保証人 | 2000万円まで無担保・無保証 |
メリット2:優遇条件・融資額の増大・負担の軽減・確度アップ
認定支援機関に依頼する2つ目のメリットは、優遇条件や融資額の増大、負担の軽減、そして確度アップが見込めます。
認定支援機関には、それぞれに専門分野がありますが、融資に特化している支援機関である場合、以下のようなメリットがあります。
金利が優遇される
認定支援機関を通じて融資を受ける場合、金利が優遇される融資制度があります。
特別利率の適用によって、通常よりも0.2~0.5%少ない金利で融資を受けることが可能です。
例えば、借入2,000万円を10年で返済する融資制度の場合、通常よりも40万円~100万円オトクになります。
融資申請書類の作成・面談への同行
融資申請には、事業計画書・創業計画書・企業概要書など多くの書類作成が必要と手間や時間がかかります。
融資支援が可能な認定支援機関に相談した場合、融資申請に必要な書類の作成や面談に同行してサポートしてくれます。
融資について多くの実務経験を持っている認定支援機関から、専門的なアドバイスを受けながら作成できるため、正確かつ効率的に申請書類をまとめられるでしょう。
また、公庫との面談での受け答えは、融資可否の判断に大きく影響するため非常に重要です。
念入りに面接対策の準備をしていても、本番で上手く答えられなければマイナスポイントとなってしまいます。
面談において専門家が立ち会うことで、安心感を持って冷静に面談に臨むことができるでしょう。
このように、書類作成や面談の負担を軽減することができるばかりか、書類や面談の回答の質を向上させることで公庫への印象も良くなり、融資の成功率が高まります。
公庫に紹介状を書いてもらえる
金融機関から融資を受ける際に最も効果的なのが、紹介ルートからのアプローチです。
認定支援機関の規模によっては多数の紹介を行うため、公庫が専属の審査担当者を置いているケースがあります。
そのような紹介から融資を申し込む場合、公庫と認定支援機関の信頼関係を前提に審査を進めることが可能です。
関係性をゼロから構築するのではなく、認定支援機関から公庫を紹介をしてもらうことによって、融資確度の向上が期待できるでしょう。
【日本政策金融公庫 紹介状例】
メリット3:補助金や助成金のサポート
認定支援機関に依頼する3つ目のメリットは、補助金や助成金のサポートを受ける機会が増えることです。
認定支援機関は、融資制度のアドバイスや審査通過するためのサポートを提供しているほか、申請する企業に適した補助金や助成金のアドバイスも行っています。
例えば、代表的な補助金として「ものづくり補助金」や「事業再構築補助金」など認定支援機関を経由しなければ受けられない制度もあります。
このような申請する企業に適したアドバイスを受けられるため、資金調達の幅も広がるでしょう。
認定支援機関の探し方と選定のポイント
認定支援機関は、中小企業庁のHP(認定経営革新等支援機関検索システム)から検索可能です。
認定支援機関を選ぶ際には、自身のニーズに合った信頼性の高い機関を選びましょう。
創業融資などの融資支援を必要とする場合、「融資支援」などのキーワードを入力して、融資に対応している支援機関を探すことがおすすめです。
融資に強い認定支援機関を見つけるためのポイントを2つご紹介します。
得意分野に注意する
認定支援機関はそれぞれ得意な分野や専門知識を持っています。
中小企業庁の認定経営革新等支援機関検索システムでは、生産管理や事業再生、人材育成、販路拡大・マーケティングなど、中小企業の幅広い経営課題に対応可能な支援機関がデータベース化されています。
そのなかで、全ての支援機関が融資に詳しいわけではなく、融資に特化した認定支援機関は東京都内で408件(全国 39,573件)と少数派といえます。
日本政策金融公庫の融資を受ける際は、「融資支援」を得意分野に持つ認定支援機関を選ぶことが重要です。
自身のニーズに合った得意分野を持つ支援機関を選ぶことで、融資の成功率も高まります。
費用は直接問い合わせる
認定支援機関のサービス料金は機関ごとに異なるため、直接問い合わせて確認しましょう。
- 着手金を払ってやってもらったのに融資が降りなかった
- 融資は降りたが成功報酬とは別に月額顧問の契約となっていた
などのケースもあるようです。
着手金や月額顧問料、成功報酬など料金体系を確認し、予算に合致する認定支援機関を選びましょう。
当社は融資のみに特化した認定支援機関です
日本創業融資センターは、融資のみに特化した認定支援機関です。
月間100件超の融資支援を行っております。
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