追加融資のベストなタイミングを解説【日本政策金融公庫】

【日本政策金融公庫】追加融資のベストなタイミングを解説

監修者:渡部 豪(公認会計士)

KPMGあずさ監査法人で勤めたのち、ベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)へ就任。
創業期の会社のデットファイナンス(融資)を複数支援した実績を持つ。
【主な支援実績】
融資額:最大5億円(コンサル会社)
創業融資額:最大6500万円(EC会社)

「日本政策金融公庫で一度融資を受けたら、もう追加では借りられないのではないか」と考えている経営者は少なくないでしょう。実際には、公庫の融資は一度きりではなく、事業の状況次第で追加融資を受けることは可能です。

むしろ、事業が順調に成長しているタイミングこそ、追加融資を検討すべき重要な局面と言えます。ただし、申し込む時期や会社の状態によっては、審査が厳しくなることもあります。

本記事では、日本政策金融公庫の追加融資の仕組みから、ベストなタイミング、避けるべきタイミング、審査で見られるポイントまでを分かりやすく解説します。追加融資を成功させるために、まず何を押さえておくべきかを整理していきましょう。

目次

日本政策金融公庫の追加融資とは?

まず誤解されがちなのが、「公庫の融資は1回きり」「返済途中だと追加で借りられない」という点ですが、これは誤りです。

公庫融資は住宅ローンのように1本勝負ではありません。制度上の枠上限まで、事業状況に応じて複数回の利用が可能です。
たとえば国民生活事業では、原則として4,800万円までが融資限度額となっており、その範囲内であれば追加融資の検討ができます。

実際には、返済中であっても、事業の状況が良好であれば追加融資は可能です。特に、売上が伸びている、利益が出ている、新たな設備投資や出店など成長に向けた資金需要がある、といった前向きな理由での借入は評価されやすい傾向があります。

公庫の追加融資は「資金繰りが苦しいから頼るもの」ではなく、事業をさらに成長させるために活用するものと考えるのが基本です。

追加融資のベストなタイミング

追加融資の審査では、最新の決算書をもとに、あらためて会社の信用力が判断されます。前回融資時よりも売上や利益が伸びていれば、評価が上がり、追加融資が通りやすくなります。

特に、利益がしっかり出ている決算であれば、「返済能力が高まっている」と判断されやすく、借入可能額が増えるケースもあるため、決算書が確定した直後は、追加融資を検討するベストなタイミングと言えます。

「1年待てない」という場合は、決算の着地見込み(仮決算)で審査を相談する方法もあります。売上や利益の着地が明確であれば、柔軟に検討してもらえる可能性もあるでしょう。

追加融資は、資金が足りなくなってから動くのではなく、業績が良いタイミングで先手を打つことが重要です。

追加融資のNGなタイミング

追加融資は、状況が悪いタイミングで申し込むと審査は厳しくなります。追加融資が通りにくいタイミングは次のとおりです。

【追加融資のNGなタイミング】
・前回の融資から半年未満
・売上や利益が下がっている状態
・資金繰りが悪化している
・返済の遅れがある
・他の借入が増えている
・個人の信用情報が悪化している

「銀行は晴れの日に傘を貸し、雨の日に傘を取り上げる」といった有名な言葉があります。これはバブル崩壊時代の言葉で、資金繰りに余裕があるときには貸しやすく、苦しくなってからでは難しくなるという意味です。

日本政策金融公庫は公的な金融機関であり、危機対応融資などを通じて事業者を支える役割も担っています。一方で、貸し倒れは国の財政にも影響を与える可能性があるため、審査はあくまで厳格に行われます。何が何でも救済するという性質の機関ではないので、自己都合によって資金繰りが悪化している会社への追加融資審査が厳しくなるのは自然なことと言えるでしょう。

たとえば、売上や利益が落ちているタイミングは注意が必要です。業績が下がっていると、返済能力が弱まっていると見られる可能性があります。

さらに、資金繰りに困ってから慌てて申し込むケースも通りにくい傾向があります。高金利の事業ローンや消費者金融を利用している、自己資金が前回より減っているといった状況は、金融機関にとってマイナス材料になりやすいからです。返済の遅れや他の借入の増加、個人の信用情報の悪化なども同様です。

また、前回の融資からまだ半年も経っていない場合も、十分な返済実績が確認できず、追加で融資を行う判断がしにくくなるといえるでしょう。

追加融資で見られるポイント

追加融資では、初回よりも「実績」が重視されます。最初の融資は、事業計画やこれからどう成長するかという将来性が中心になりますが、追加融資では、「実際にどうだったのか」が問われます。

具体的には、まず事業が成長のための資金かどうかが見られます。単なる資金不足の穴埋めではなく、売上拡大や設備投資、人材採用など、前向きな目的であることが重要です。

次に、​創業融資​(最初の​融資)の​際に​公庫へ​提出した​創業計画書通りに​業績が​伸びているかも​確認されます。​売上や​利益が​当初の​収支計画を​著しく​下回っていたり、​創業融資金の​資金使途が​不明瞭だったりすると、​評価は​下がります。​​そして当然ながら、これまでの返済実績も重要です。遅れなく返済していることは、大きな信用材料になります。

追加融資は、借入総額が増える分、審査も慎重になるため、数字と実績で説明できる状態を整えてから申し込みましょう。

日本政策金融公庫で追加融資を受けるなら

追加融資は、初回よりも審査難易度が上がります。実績が重視されるため、決算内容の整理や資金使途の説明、今後の見通しの示し方まで、より精度の高い準備が必要になります。

当センターは経済産業省認定の支援機関として、日本政策金融公庫の融資を数多く支援してきました。これまで100件以上の融資支援実績があり、融資成功率は98%。日本政策金融公庫の追加融資においては、最大2億円の資金調達の実績もあります。規模の大小を問わず、企業の成長段階に応じた資金調達を支援しています。

会計士やCFO経験者など、融資実務に精通した専門家が対応し、完全成功報酬型で支援します。融資が実行されるまで費用はかかりません。追加融資の可能性や進め方については、無料でご相談いただけます。

まずは、自社の状況でどれくらいの可能性があるのかを確認してみてください。

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