【事業性融資推進法とは】融資は受けやすくなるのか

【事業性融資推進法とは】融資は受けやすくなるのか

監修者:渡部 豪(公認会計士)

KPMGあずさ監査法人で勤めたのち、ベンチャー企業のCFO(最高財務責任者)へ就任。
創業期の会社のデットファイナンス(融資)を複数支援した実績を持つ。
【主な支援実績】
融資額:最大5億円(コンサル会社)
創業融資額:最大6500万円(EC会社)

「事業性融資推進法によって、融資は本当に受けやすくなるのか?」疑問を持つ経営者や事業者は少なくないでしょう。これまでの融資は、不動産担保や経営者保証が重視される傾向が強く、事業の将来性があっても資金調達が難しいケースが多くありました。

事業性融資推進法は、こうした従来の融資のあり方を見直し、企業の事業内容や成長性を評価した融資を広げることを目的とした法律です。特に、スタートアップや成長段階にある中小企業にとっては、融資環境が変わる可能性のある制度として注目されています。

本記事では、事業性融資推進法の基本的な考え方や制定の背景を整理したうえで、実際に融資は受けやすくなるのか、そして実務上どのような点に注意すべきかを分かりやすく解説します。制度への過度な期待だけでなく、現実的な見方も含めて確認していきましょう。

目次

事業性融資推進法とは

事業性融資推進法とは、「不動産担保や経営者保証がなくても、事業の中身や将来性を評価して融資を行いやすくする」ための法律です。

これまでの融資では、土地や建物といった不動産の担保、あるいは経営者個人の保証が重視されてきました。そのため、事業は順調でも担保となる資産が少ないスタートアップや成長途中の中小企業は、資金調達に苦労するケースが少なくありませんでした。

事業性融資推進法は、こうした課題を踏まえ、企業の技術力やサービス、顧客基盤といった事業そのものの価値を評価し、融資につなげることを目的としています。これにより、従来の担保中心の融資では評価されにくかった企業でも、資金調達の可能性が広がることが期待されています。

法律の位置づけ、概要

経営者保証ガイドラインの限界

2014年には、「経営者保証に関するガイドライン」が導入されました。このガイドラインは、一定の条件を満たせば、経営者個人の保証に依存しない融資を行うことを金融機関に求めるものでしたが、実務の現場では必ずしも広く活用されてきたとは言えません。

金融機関側にとっては、保証を外すことで貸し倒れリスクが高まるため、「保証なし融資」は一部の金融機関や限られた企業にとどまり、多くの中小企業やスタートアップにとっては、実感しにくい制度となっていました。

スタートアップ支援政策の流れ

2022〜2023年に政府が、日本経済の成長力を高めるために掲げた「スタートアップ育成5か年計画」では、スタートアップへの資金供給を強化することが重要な課題とされました。この計画の中では、「投資の促進」や「無形資産への投資拡大」が打ち出されています。技術力やサービス、ブランドなどの無形資産を強みに成長する企業を増やし、新しい産業を育てていこうという狙いです。

しかし、日本の金融は長く、不動産などの有形資産を担保に取ることを前提としてきたため、無形資産しか持たない企業には融資が行き届かず、成長性があっても資金調達ができないという構造的な問題がありました。担保を取れない以上、金融機関としても融資に踏み切りにくかったのが実情です。

そこで、無形資産を中心とする企業でも融資を受けられる仕組みを整える新たな支援策として、事業性融資推進法が制定されました。

融資は受けやすくなるのか

結論から言えば、制度上は、これまでより融資を受けやすくなると考えられます。

事業性融資推進法では、融資の判断基準が見直されます。これまでは、土地や建物などの不動産を持っているかどうかが重視されてきましたが、この法律では、「どのような事業を行っているのか」「今後の成長が見込めるか」といった点を重視して融資を検討する仕組みが整えられます。

その結果、不動産をほとんど持たない会社であっても、将来の売上や利益が見込めるのであれば、融資の検討対象になりやすくなります。「担保がないから無理」と、最初から断られるケースは減っていくと考えられます。

具体的に活用が想定される場面は、

活用場面詳細
無形資産中心の
ビジネスや
スタートアップ企業
の場合
ノウハウや独自技術など、目に見えない強みや、それに基づく将来計画といった定性的な価値も評価対象に
事業承継を
予定している
企業の場合
企業の事業性が担保として評価されることで「企業価値担保権」が設定され、経営者保証の負担を軽減
M&Aやプロジェクトファイナンスに
取り組む場面
全資産担保に近い役割を果たしつつ、手続きが簡易でコストも抑えられる代替手段として機能

ただし、事業の内容や今後の見通しを、金融機関に分かりやすく説明することが、これまで以上に重要になる点は変わりません。

事業性融資推進法のメリット

事業性融資推進法のメリットは、資金調達の選択肢が広がり、経営の自由度が高まる点にあります。

担保や経営者保証に強く縛られなくなれば、資金調達に対する心理的なハードルが下がります。これまで「条件が厳しいから」と融資をあきらめていた企業でも、事業計画をもとに資金調達を検討しやすくなります。

また、経営者個人が過度なリスクを負わずに済むことで、設備投資や人材採用、新規事業への挑戦といった前向きな判断もしやすくなります。特に、成長段階にある企業や地方の中小企業にとっては、長期的な経営を考えるうえで大きなメリットと言えるでしょう。

実際に使えるのか?

結論から言うと、制度としては期待できるものの、すぐに誰でも使えるというわけではありません。

事業性融資推進法では、企業の価値全体を担保として評価する「企業価値担保権」という新しい仕組みが導入されます。しかし、この担保は、土地や建物のように簡単に換金できるものではありません。そのため、金融機関にとっては、万一の場合の対応が難しく、慎重な判断が求められます。

実際に都市銀行の担当者からは、次のような見方が聞かれます。

都市銀行担当者(男性 40代)
無形資産を活かして融資を受けやすくする仕組み
技術力とか顧客とのつながり、ブランドみたいな“形のない強み”を担保として扱いながら融資を受けられる仕組みだと理解しています。
不動産のような有形資産がなかったり、まだ純資産が育っていないスタートアップやベンチャーでも、資金調達しやすくすることが狙いなんだと思います。
ただ、もし返済が難しくなった場合は、事業の一部や全部を売却してお金に換え、それを返済に回す想定です。その際には裁判所の許可が必要になるので、実務的にはかなりハードルが高いと感じています。

このように、企業価値担保権を実際に行使するには手続き面での負担も大きく、金融機関としても安易に活用できる制度ではありません。そのため、当面は事業内容や収益力がある程度明確な企業を中心に利用が進むと考えられます。

2026年5月から取り扱い開始

「企業価値担保権」を活用した融資制度は、2026年5月頃から取り扱いが開始されるとの噂があります。

金融機関は事業者の提出する事業計画を踏まえ融資審査を行うため、申請にあたっては資料や情報をより充実させる事が必須条件となります。
加えて、事業計画から逸れる財産処分時などには金融機関とのコミュニケーション・同意が必要となったり、返済不能時には裁判所が選任した公正中立な管財人により事業譲渡が行われ、金融機関主導で事業再建が行われるなど、融資実行後は一定の制限がかかる点には留意が必要です。

金融機関から融資を受けたい方へ

事業性融資推進法のような新しい制度が整備されても、実際に融資を受けられるかどうかは、最終的には事業内容をどれだけ分かりやすく、説得力をもって金融機関に伝えられるかにかかっています。制度を知っているだけでは不十分で、事業計画の作り方や金融機関との向き合い方によって、結果は大きく変わります。

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